「早く帰りたいですね」
「…そうだな、あっそうだ莉香。
明日は皆でパーティーするんだぞ!」
「えっなにかしら、それ?」
恐ろしい程ひんやりとした空間。
中は朝なのに薄暗くて
それでいて空気は重々しい。
でも、それでも。
「恢斗の手料理を食べるの!」
「澪夜、ノリノリだな」
「まぁね!…恢斗、楽しみにしてるよ?」
「任せてください」
「へぇ…楽しそうね」
皆がいれば、大丈夫。
呪いが始まって
怯えて、苦しんで、泣いて。
想いがすれ違って、切なくて。
それでも今、たしかに
私達の心はひとつだった。
莉香がどうしてあんな嘘をついたのかは
まだ分かっていないけれど
私は莉香の事を信じているから
きっと莉香も私を信じてくれているから
私達は今、しっかり手を
繋ぎあっているんだと思う。
