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2000/8/5 7:49
今日は1段と太陽の光が眩しさを増していた。
セミの声に、どこかから聞こえる風鈴の音。
そして…昨日から何度も耳にした
パトカーのサイレンの音。
いつもよりも騒がしい魔莉乃村。
その騒がしくしている原因の場所へ
私達は向かっていた。
智弘と私は互いに無言で
歩いていく。
3度目の光景。
生い茂る木々を抜け、視界が開けると
そこには古ぼけた看板に
大きなトンネル。
トンネルには相変わらず
緑の蔦がぐるぐると絡みついている。
朝なのにトンネルのせいで雰囲気は暗く
不気味だった。
「…お2人共。おはようございます」
突然背後から声がかけられ驚いて
振り返ると
「おはよう……恢斗」
引き締まった表情をした恢斗が
トンネルをじっと見つめていた。
「やはりいるんですね。警察官」
