智弘に触れられた所ひとつひとつが
熱を持ったように熱くて。
刻々と過ぎていく時の中
この時間が永遠になればいいのにと
ただそう思っていた。
そのままお互いに無言で寄り添って
時間がたつのをソファーの上で
カーテンの外の
真っ赤な空を見ながら眺めていた。
その夕焼けは今までみたどんなものより
紅くて、赤くて。
流れる雲は光を受けて赤く滲むように染まり
時の流れが直に伝わる。
その幻想的な光景はそれはそれは
美しくて、綺麗だった。
「…パトカーの音……」
眩しい西日に目を細めて
ぽつりと呟く。
景色にそぐわない機械音が
何度か耳に届く。
パトカーのサイレンの音だった。
