「どうしよう、智弘。私今呪いに巻き込まれて良かったなんて思っちゃったよ…」
自分の思考が憎い。
3人も犠牲者を出しているのに
智弘の腕の中にこうして抱かれているだけで
呪いに巻き込まれて良かった、だなんて。
「俺もだよ…本当に…今、すげえ、幸せ」
ふかふかのソファーの上。
だんだんと落ちていく太陽を
私達は2人でただ、眺めていた。
怖くて仕方ないはずのこの状況なのに
隣に大好きな智弘がいるだけで
幸せに変わる。
「目、閉じて」
言われるがままに
目を閉じると瞬間下りてくる
智弘の熱い唇。
その感覚を味わった途端
何故か、涙が頬を伝った。
なんでだろう…
嬉しさからか、悲しさからか
溢れる涙を止める事が出来なかった。
