「えっ!?…と、智弘……」
強く私の腰に回される智弘の大きな手。
「ずっと…こうしたかった」
智弘の甘いささやき声が間近に聞こえる。
激しくなる胸のどきどきと
智弘の体の感触で頭はもうパニック寸前
だった。
「夢、みたい」
気がつけばそう零していた。
ずっと前から智弘の事を見てきて
ずっと前から好きで。
このまま片思いを卒業まで持っていく
つもりだったのに。
なんで、なんで君は
「最初は確かに普通のクラスメイトだったよ
…でもだんだんお前の明るさや優しさに
惹かれたのかもしれないな」
そんなに愛おしそうに私を見つめて
「呪いに巻き込まれて実感した。
俺はお前の笑顔が大好きだ……」
そう言って私の髪を指ですいて
私を抱く手に力を込めて
「お前がいたから、呪いに立ち向かえた。
好きだ、お前がいれば、それで……」
私が1番欲しかった言葉をそんなに優しく
包んでプレゼントしてくれるの?
