すごく気になるけど
私の意識は別の事に奪われているから
今はそれどころじゃない。
「……」
「……」
ひとしきり笑ったあと
起きる静寂。
気まずい空気が漂い
下を向いてしまう。
そう、今家には私と智弘の
ふたりきり。
私の胸はパンクしそうなほど
どきどきしていて体温が急上昇していくのが
わかる。
どうしよう…好きな人と2人きりなんて
緊張してまともに話せない。
「あのさ」
「へっ!?」
どうするべきかと
試行錯誤(しこうさくご)している私に
爽やかな声。
「な、なに?」
上ずる声。きっと顔は赤く染まって
いる事だろう。
そんな私の頬を智弘のひと言がさらに
赤く、赤く染める。
「澪夜、お前好きなやつとかいるのか?」
