「日記は見つかった事ですし、私はここで
帰りますね」
いつにもまして無感情で恢斗は
「さようなら」と告げて
階段を降りようとする。
「え、おい、じゃあ俺も帰…」
「智弘さん?あなたは澪夜さんの家に泊まるんですよ?…では」
「まじで泊まることになってるのかぁ!?」
「別に変な意味ではないですよ?
状況的にも、キーパーソンである澪夜さんをひとりにするのは危ないからですが?」
「それもそうだが…おい、待てよ!」
そして追いかけようとした智弘の声を
遮って振り返りざまににんまりと笑う。
「…恢斗?」
「なんですか?」
思わずその背中を呼び止めてしまい、慌てて
「ううん、なんでもない」
ごまかして笑った。
なぜだか恢斗がさっきからどこか寂しそうで、切なそうな表情をしていた気がしたから。
気のせいだとは思うが妙に気になった。
「最後に…明日、呪いを解きましょう」
「明日……」
そんな違和感を感じている私の耳に届いた
恢斗の冷静な声音は
私の心に響いた。
明日…
実感がわかない。
明日、3日間の地獄が終わる。
ついにこの日記を使って
呪いを、解く…!!!
「…おうよ。柚姫達の為にも絶対解こうな」
「うん、誰ひとりもう死なせない」
それに私と智弘も強く返事をする。
死んでしまった3人の気持ちを
無駄にはしない。
