壁に掛かっている時計は
白色で、とても大きい。


結構な高さに掛けてあるので
取るのが大変そうだ。


「この壁掛け時計に…日記が?」


見た感じはただの時計。
智弘が首をさらにひねって不思議そうにしているのもわかる。


「……外してみればわかるはず」


私は思いっきり背伸びして手を伸ばし
掛けてある時計を外した。


「……あっ」


それを2人に見せながら覗き込むと
智弘が声を上げた。


「やっぱり…」


そう呟いた私の手の中の時計は


改造されていて、真ん中がくぼんでいた。


その中に埋められているように
ぴたりとはまっているのは……


「見つけた!!」


「なるほど、これが魔莉乃の日記ですか」


歴史を感じさせる
古ぼけた日記帳だった。


表紙には『神咲魔莉乃』と
名前だけが簡潔に書かれていた。


ドクン、ドクン
呪いを解くキーアイテムが見つかり
興奮が高まる。


これを媛乃に見せて
魔莉乃の思いをわかってもらえれば
呪いは解ける…!