にわかに残る目眩を
頭を左右に軽く降って和らげ
2人にそう告げると
リビングを出て階段を登り2階に向かった。
「ん?お、おう」
戸惑いながらも付いてきてくれた2人に
「多分…日記はここにあると思う」
私は毎日足を踏み入れている
自室のドアを開けて
見慣れたピンクが強調されている部屋へ
2人を招き入れる。
まださっき見た記憶は鮮明に覚えている。
魔莉乃が指さしていた所を
私も指さして2人に見せた。
「…時計?」
首を傾げる智弘達。
そう、魔莉乃は確かにこの時計を
指さしていた。
本来なら生まれて数ヶ月の頃の記憶だ。
覚えてるはずはない。
でも呪いのせいか、魔莉乃の力のせいか、
私の記憶には先程蘇った
私が生まれたと同時に
嬉しそうに「澪夜と一緒にこの時計も生きていくのよ」って言って
この時計を壁に掛けていた出来事が
何故かしっかり残っていた。
