「……じゃあ食べ終わったことだし、私の家自由に見ていいから日記探し始めよっか!」
お皿をキッチンに持っていき
グラタンの美味しさの余韻に浸りながら
いつのまにか付けていたテレビを見ている
2人に笑顔で声をかけた。
「おう!てかさ、聞きにくいかもしれないけどお母さんっていつ亡くなったんだ?」
「うーん、多分私が生まれて半年くらい、
かな?」
とはいってもお母さん…魔莉乃との
思い出なんて覚えていない。
「じゃあ日記の場所とか覚えてねぇか……」
「多分…」
そう答えつつ、なにか覚えてないかと
記憶を探り始めたその時だった。
チリッ
頭の中で何かが弾けたような音。
それと同時に目眩が私を襲い、
記憶が呼び覚まされていくような
感覚を味わう。
「……う、っ!?」
ぐるぐると回る視界に
頭の中に映る不透明な光景。
「澪夜!?」
さっきまで会話を交わしていた
智弘が私の元へ駆け寄り
目頭を押さえる私を
両手を私の肩に包むように添えた。
「澪夜さん、どうしました!?」
