呪いが、解けたら……


「………」


恢斗の言葉を聞いて私は
絶望するわけでも


怯えるわけでもなく


目尻を下げてふ、と弱く笑った。
いや、自然と笑みがこぼれたんだ。


「そうだね…呪いが解けたら…
今度は莉香も一緒に、皆でパーティー
したいな。柚姫も、一緒に…」


楽しそうに恢斗の料理を堪能する莉香。


腕前を披露してドヤ顔してる恢斗。


一心不乱に手当り次第、料理に
手をつけている智弘。


それを遠くからくすくすと可愛らしく笑って
眺める柚姫…。



その中できっと私は幸せそうに笑うんだ。



叶わないとわかっていても、
夢見てしまう。


「ええ。莉香さんも呼んで。
“皆”でパーティーしましょうか」


私の出番ですね、そう言って
眼鏡の奥の瞳を優しく灯らせて


恢斗は呟くようにそう言った。