恢斗の言葉は時に
予想外すぎて、まるで爆弾みたいだ。
私達はぴたっと動きを止めて
硬直した後
同時に叫んだ。
「「はぁぁぁぁぁ!?」」
「…?なんですか?」
どたどたと智弘は
音を立てながら恢斗のいるキッチンへ
走り、その胸ぐらを掴んで
大声でまくし立てる。
「わけわかんねぇよ!なんで俺が
澪夜の家に泊まるんだ!?」
「そ、そうだよ恢斗…!」
智弘を追いかけて私もキッチンへ
辿り着くと
同じように大声で反論する。
「なにを言っているんです。
澪夜さんを今ひとりにするのは
危ないでしょうが」
私達の言い草を軽くかわして
涼しげにそう言うと
恢斗はまた料理を始めた。
「いやいやいやいや。それはそうだが
澪夜の家だし澪夜に失礼だろそれっ…!」
顔を真っ赤にしている智弘を見て
私の頬も色づき始める。
それって男女がひとつ屋根の下で
一夜を明かす……
ってこと、だよね。
好きな人と。悪くはないかも…
「って。いや…
むむむ、むりむりむりむり!!」
声に出しでぶんぶんと
やましい思考を断ち切る。
