「……つまり魔莉乃が綴った日記を
媛乃に見せれば……全ての呪いは解ける
って事、ですね」


静まり返った私の家の洗面所で
恢斗の聞き慣れた冷静な声が


魔莉乃の記憶がフラッシュバックして
辛くて泣きじゃくりながら


必死に言葉を紡いだ私にかけられる。


「おお、マジか…!じゃあ、日記さえ
見つければ…!!」


智弘の嬉しそうな声。


でも問題はその日記がどこにあるかだ。


私の家にあるとは限らないけど
探さない事には始まらない。


ひとまず日記の件より、その前に……


私は迷いに迷って2人に声をかけた。


「あの、ね。その前にひとつだけ謝らないといけない事があるの」


いろんな思いが混ざる中
媛乃に眠らされる前の


莉香とのいざこざを思い出す。


莉香が言っていた
「呪いが今になって私達に降り掛かっている原因は私にある」って事……


正直言わないで隠し通すのもいいかな
なんて思っていた。