ハッとして涙を拭う。


途端に私が見てきた映像、記憶が
呼び戻される。


思い出した。私は
確か媛乃に眠らされて…


「あっ…!ふ、ふたりとも!
なんでここにいるかは置いといて、
話さなきゃいけないことがあるの!」


今までにないくらい
心が揺れている。


今見た記憶の内容を何度も繰り返して
再生してみる。


動悸は激しくなるばかりだ。


その理由は今まで犠牲を負いながら


必死に探し求めてきた
呪いに根本的に近づいたから…!


記憶の中で知った呪いの全てと
その解き方。


頭の中は混乱していて
まだ整理がつかないけれど


魔莉乃の媛乃を生贄として
差し出した時の


苦しみや


生まれてきた私、幸せな家庭を築けて
幸せに満ちた


満足感や…


その後媛乃が現れて


終わらない魔莉乃の罪に
苛まれて


泣きながら誰にも悩みを相談できずに
孤独にこの世を去った


哀しみや…


私や、紗来達を巻き込んでしまった


罪悪感が…


私の胸にそのまま伝わってくる。


そんな魔莉乃の為にも
前に進まなきゃいけない