頑なに私の言葉に耳を傾けてくれない
莉香の様子に少し苛立ってしまい
叫ぶように言う私。
何故莉香はこんなに私に冷たいのか。
私がなにをしたというのか。
理解出来なくてもどかしくて
どうしようもなかった。
『……しょうがないわね。
理由だけ教えてあげる。だから今後一切…
私に近づかないで』
莉香は途切れながら、でも確かにそう言った。近づかないで、って。
「え…」
ぶるぶると震えだす携帯を持つ私の手。
ソファーの背にもたれかかり
力なく声を出す。
そんな私に莉香は手早く
説明を始める。
『図書館で皆で事件のファイルを探してた時の事だったわ。…私の前に媛乃が現れたの』
「ひ、媛乃…が?」
『ええ。その時信じられないかもしれないけど…私以外の皆の時間が
止まっていたみたいなの。』
耳を疑うとはこのことだ。
時間を止めるなんてそんなことが
実際に起こるなんて非現実的すぎる。
