出てくれるよね……?
でも、迷惑かもしれない…
どうしよう…
いざ携帯を目の前にすると
迷ってくるものだ。
なかなか発信ボタンが迷って押せず
躊躇する事数分。
プルルルルルルル…
プルルルルルルル…
私はようやく莉香に電話を
かけることが出来た。
押してしまった…
コール音は私の胸に直接響いてくる。
緊張の中恐る恐る発信中の携帯を
耳に押し当てる。
プルルルルルルル…
プルルルルルルル…
莉香は出ない。
やっぱり話もしたくないのかな。
それともまだ家にいない可能性もある。
もしかしたら莉香の身に何か
起きた可能性だって…
コール音が7回…8回……
……出ない…
もう無理かな、と諦めかけた
その時だった。
『……もしもし』
