だんだんと暑くなった日差しが
誰もいない道を1人で走る私へ強く注がれる。
流れ落ちる汗もそのままに
私はただ家に向かって走っていた。
息苦しくなっても止まらずに走る。
止まったら涙が出てきてしまいそうだから…
「はぁっ……はぁっ……」
胸が痛い。走りすぎたかな。
ゆるゆると立ち止まり胸に手を当てて
息を整える。
もう頭の中はぐちゃぐちゃで
なにも考えられない。
「ふぅ……」
深呼吸を繰り返して
足を再び進める。
感傷的になっちゃだめだ。
莉香の目的を考えなきゃ。
莉香はそんな簡単に私に暴言を吐いたりしないし、拒絶したりしない子だもん。
その目的はなんなの…?
必死に考えながら恢斗と智弘に
『ごめん勝手に帰って。
でもなんでもないから気にしないでね。
家で魔莉乃について調べてみる!』
そうメールを残して私は
また汗をたなびかせながら家へと走った。
