深夜零時の呪い~止まらない負の連鎖~



「あれ、澪夜?莉香は追えなかったのか?」


1人で図書館の前に戻ってきた私を見て
智弘が不思議そうにそう言った。


「あ、うん……」


意識はまださっきの莉香の言葉に向けられていて智弘への反応が遅れてしまう。


それを見兼ねて


「喧嘩でもしたんですか?」


なんて恢斗が言うからまた胸がざわざわ
して苦しくなる。


「うぅん…そんなんじゃ、ないよ…」


……上手く、笑えてるかな?


これは私と莉香の問題だし
心配かけたくない。


笑顔を作る私だけど
恢斗と智弘は笑わない。


そんな沈黙に耐えられなくなった私は


「……っ、あ、もう私も帰るね…!家に魔莉乃について他になにか情報がないか調べてみる!」


じゃあね、の一言だけ告げて
逃げるようにして


「おい、澪夜!?」


「澪夜さん?」


驚く2人を無視して
家に向かって走り出した。