ほんとに見つかるのかなこれ……


というかここでなにか呪いが起きたら
どうしよう。


さすがに図書館だしナイフが飛んでくるなんて事はないと思うけど……


なんて考えながら立ち読みに疲れた私は
近くにある読書スペースの椅子に腰掛けて
続きをめくる。


恢斗達も隣に腰掛けて4人で
記事を必死に漁る。


静かな図書館の空間にはページをめくる音と
時計の針を刻む音しか聞こえない。


そうして暫くした頃……


「……いっ…」


痛っ……!


突然になにげなくまたページをめくろうとした私の指先に軽い痛みが走った。


小さく声を出してしまい
ここが図書館だという事を思い出し
やってしまった、と思った。


原因を確認すべく指先をかざしてみると
ファイルで切ったのか切り傷が出来ていた。


びっくりした……


まだじんじんと痛む指先から
絵の具のような鮮やかな赤い血が
ぷっくりと浮かび上がる。