冷ややかな女の子の声。
途端に空気が、ガラリと変わった気がした。
「…っ?」
慌てて振り返る。
でもそこには誰もいなくて。
「澪夜ちゃん、どうしたの?」
柚姫が私の異変を感じ取ったのか
心配そうに私の顔を覗き込む。
「…う、ううん。
なんか、寒気がしただけ…」
強ばった顔を見られたくなくて
顔を伏せながら呟く。
でも、なんだろう。なにか、嫌な感じ……
とても冷たく悪意の込められた声が聞こえた気がした。気のせいかもしれないけれど…
ぞわぞわと背中を悪寒が撫でる。
「澪夜?」
智弘も私の様子にきょとんとした
顔で問う。
2人にじろじろ見られてる事に
改めて気づいた私。
「……わっ気にしないで、2人とも。なんでもないから!」
慌てて2人に笑いかけた。
うん。聞き間違い…だよね?
そう思っておこう。
いや、そうに違いない。
