女の人の声は聞こえてこなかった。


静まり返る空間の中で私の
悲しい心の叫びだけが谺響する。


呪いを解く、なんて簡単な事だと思ってた。
私達なら…出来るって。


でも私達はただ呪いに踊らされてただけだったんだ。


「もう……いやだぁあっ…」


無理。…こんな膨大な呪い…
ただの高校生である私達は手も足も出ない。


もう…死んだ方がいいのかもしれない。


ツン、と鼻が熱くなり
今日2度目の涙が滑り降りて、
闇に吸い込まれていった。


その、途端。


『…聞いて……呪いを、負の連鎖を…
断ち切ってほしいの……』


また声が聞こえたかと思ったら


ぶわっと光の粒子が巻き起こった。
それは闇を明るく照らし、


1つに集まり人の形を象り始める。


「…っ!?」


涙でぼやけた視界に映る
幻想的な光景に驚く私。


あっという間に光は
若い女性の映像のようなものに変わった。


『こうして話すのは初めてね…。いい?呪いを解くのを諦めちゃダメ…抗うのよ…!』