媛乃。その名前はよくわかるが
…依子、さん?


一瞬誰のことを言ってるのかわからなかった。


でもこの人の言っていた
止めてるのに、という言葉で
ハッとしたんだ。


依子さんは、昨日見た夢に出てきた
媛乃にやめて、と必死に止めていた人だ…!


ここまででわかったのは、
媛乃と依子さんは呪ってる側…


つまり30年前の事件の被害者だという事。


これはまた私達に大きなヒントを与えようとしてるんだと気づき、


その人の言葉の続きを
黙って待つことにした。



『紗来が…いえ、紗来の血筋が……
間に合わなかったの。本当にごめんなさい…助けられなかった』


…っ!?


紗来…の血筋……?


嫌な汗が吹き出したのがわかった。


私は、神咲魔莉乃の血筋。


じゃあ、紗来の血筋っていうのは…?


私が神咲魔莉乃の血筋だから、
皆を呪いに巻き込んでしまったのかもしれない…


なんてずっと思って申し訳なさで
いっぱいだった。


…でも、もし。もしも
私達5人が巻き込まれたのが
偶然なんかじゃなくて最初から決まっていた事だとしたら…?