テスト、かぁ。
ちょうど今毎回成績が伸びなくて
悶々としているところだった。
そこまで天才でもない私にとって
テストとは苦痛でしかない。
「ってか…莉香は頭いいから余裕でしょ!」
ぺしっと莉香の頭を叩いてやる。
…そうなのだ。
本当に、莉香は秀才だ。
テスト嫌だと喚いてるわりに、
毎回必ず学年で10位には入っている。
私の順位は詳しくは言わないけど
決して良くはない。
天才のくせにテストの愚痴を言ってる莉香
は私にとって殺意の湧く行為だ。
私も莉香みたいに
頭がよければな…
「いたっ、なにすんのよ〜」
「ごめんごめーん」
莉香に軽く謝ると、
ふたりで顔を見合わせ
けらけらと笑いながら校舎へと足を運んだ。
