進路相談室のドアをノックして、ドアを開ける。



「よっ、松山」


「え、なんでたかちゃんが??」


そこには3週間も喋ってなかったたかちゃんがいた。

手を軽く挙げて眉を下げて笑っていた。

「担任の田中先生が会議入っちゃって、その代わりに来たんだけど」

一度、息を吸って

「この間はごめんな?勝手なことばっか言っちゃって」


今まで見たことのないような真面目な顔だった。

私は横に首を振る。


「俺が勝手なこと言ったからテストダメだった?それともこの間のこくは「告白されたのは、断りました。すぐに」



そう、クラスの男子に告白されたのはすぐに断った。


たかちゃんのこと好きだったこともあるんだけど、


「私、告白してきた男子の名前、全然知らないほど興味なかったんで」


そのぐらい、周りの男子に興味がなくて。たかちゃんしか興味がなくて。



「俺でも知ってるぞ?」


だんだんいつもの笑顔に戻ってきた。そんな小さなことが嬉しかった。普段、ふざけあいながら喋るのよりも断然嬉しいし、なんか涙がでてきそうだ。