ぼっちの俺に、青春ラブコメは難題すぎた。

人間は十人十色という言葉があるわけだからな。
確かに人間の考え方や性格などは人それぞれ個々違うとは思わなくはない。
自分のことよりも他人のことを助けようと思える善人はどのくらいこの世界に居るのだろうか。

善人ではない俺には、分かりかねることだがな。


「それで、先生。俺に話っていうのは何ですか?あまり自分も暇ではないので早く済ませてほしいんですけど…」


「お前が話を脇道に反らしておいて何迷惑そうな顔してるのよ!」

いやいや、俺が話を反らしたんじゃなくて先生が話を反らしていったんですよ。


「……全く。では、ここから本題に入るが。倉根、おまえ今どこの部活にも所属していないだろう?」


「いえ。ちゃんと俺も部活には入ってますよ。帰宅部に……」


「いや、それは一般的には部活に入ってるって言わないから!」

先生は、俺の左胸を自分の手の甲で思い切り叩いて突っ込む。


「……別に、入りたい部活もないのに部活に入る意味が俺にはわからないのですが」

これ以上集団的活動なんかしたくないから部活なんか入りたくもない。


「まあ、おまえの言い分も最もなんだけどさ。これも学校の方針というか、決まりなんだよ。だから、ここは先生を助けると思って部活に入ってくれないか?」


「……」

俺は、座っていた椅子から素早く立ち上がって早足で廊下に出ようと教室の扉に向かう。だが、先生の動きは俺の動きよりも素早く、俺の左肩を強い力で掴んで呼び止める。


「おい、倉根。おまえどこに行くつもりなんだ?」


「帰ります。俺は別に先生の事助けたいなんてこれぽっちも思ってないので」


「また酷いことをさらっと真顔で言ったな、おまえ」

呆れた顔をして先生は呟く。