俺は他人から否定されたり拒絶されて孤独になることに慣れているから平気だ。


だから、傷つくことなんてない。
あり得ない事なんだ……。


いつも自分自身に言い聞かせる。


弱いもの程自分のことを大きく強く見せたいものだからな。
自分のことを大きく強く見せたい奴らの言うことを一々気にしていたらキリがないことだ。
俺は、クラスメイトたちからの罵声に無言を貫く。


「皆、あんまり根暗を弄るのも止めてやれよ。元々根が暗いのにこれ以上暗くなって空気が重くなったら、今よりも気持ち悪くなるからよ」

俺のことをフォローするように見せかけて先程の女子よりもきつい悪口を言った男子は俺のそばに寄ってきて顔を耳元に近づけてくる。

男子は俺の耳元小さな声で呟く。


「……おまえ、目障りなんだよ……」

そう言い残すと男子は俺の耳元から離れて大きな声で笑って、俺の傍から離れていく。
教室中の生徒がクスクスと俺を馬鹿にするように鼻で笑って、俺のことを見ている。


教室に俺の居場所なんてない。

いや、教室のみならず学校に俺の居場所と言える場所なんてない。


けど、別にいいんだ。
学校に俺の居場所なんて無くとも。
ただ、今という時が過ぎ去っていけばそれだけで俺は十分だ。

寧ろ、このまま三年という月日が瞬きをしている間に過ぎればいい。


俺は、そんなことを考えながらひとり自分の席に座ってゆっくりと目を閉じる。