ぼっちの俺に、青春ラブコメは難題すぎた。

夕日を見て癒されるなんて、まだ俺にもまともな人の心があったということか。



……何か、まるで自分が人の心もない冷酷な奴のような感じがする。


自分で思っていても、何だか少し虚しくなる。



窓際に立って茜色した空を見つめていると、部室の扉が開く音が聞こえる。


扉が開いた音に気づいた俺が振り向くと部室の扉の前に大和が立っていた。



大和は、部室にいた俺を見て若干驚いた顔をしたあと、直ぐに目を逸らして右側の一番端の廊下側の席に座る。




……俺となんて話したくないという態度だな。


……まあ、別にいいけど。



座っていた席に戻り、机の上に置いておいた本をもう一度開いて読書を始める。




教室の中には沈黙の時が流れる。



暫く黙っていた大和が沈黙を破るように口を開く。




「……ねえ、倉根くん。一つ聞きたい事があるのだけどいいかしら」


……昨日と同じ聞き方ですけど。



じゃあ、ご期待に御応えして同じ言葉で応えてやろうじゃないか。




「……ダメって言っても、どうせ聞くんだろう?」



「勿論よ!」



……全く昨日と同じ返答したよ、こいつも。


本を読みながら俺は大和の言葉に顔を引きつらせて苦笑いを浮かべる。



内心、部室に女子と二人きりという気まずさにどうしても目線を合わせられないでいると、大和が俺の目の前の席までやってくる。



じっと、真っ直ぐ俺の目を凝視して見つめる大和の行動に、流石の俺も冷静さを保つことができなくなる。



「……何だ?人の顔をじっと見て。もしかして、俺がイケメンすぎて見惚れたのか?」


かなりすっとんきょうなことを言っているように思えますが?自分。



「……倉根くん。まさかとは思うけれど今の言葉本気で言ってる訳じゃないわよね?」



残念な人を見るような冷酷な冷たい目をして真顔で大和が言う。