ぼっちの俺に、青春ラブコメは難題すぎた。

呼吸を乱して息苦しそうに地面に倒れ込んだ二階堂を上から見下ろして、俺は冷たい目で二階堂を見ながら言う。




「……弱いからこそ、弱いものは自分を守るための術を身につけるもんなんだ」


……他人から拒絶、否定をされ続けられる自分を救う手などどこからも差し出されることなんてない。

……助けは来ない。
この世界に正義のヒーローが存在しているのなら、俺は何度救われたかわからない。


……この世界に正義なんて形のないもの最初から存在しない。



俺は二階堂に言い残して、制服のズボンのポケットに手を入れて猫背になりながら歩いて二階堂達の元を去る。




校舎裏から表の昇降口に戻ってくると昇降口の扉の前で腕組みをして仁王立ちした豊島先生が俺を出迎える。



先生の姿を見た俺は、地面に唾を吐いてため息混じりの声で言う。



「……ぺっ!……あれ?こんな所で何してるんですか?豊島先生」



「今、何故、唾を吐いた?公共の物を汚すな。何をしてるって、先生はお前が二階堂達男子に校舎裏に連れて行かれるのを見て、心配して態々見に来てあげたんじゃないか」


……態々見に来てはくれたみたいですけど、俺を助けに校舎裏にまでは見に来てくれなかったですよね?
なんて女々事を一々言葉になんてしないけど。




「……今朝は、より一層ケバい顔をしてますけど、もう少し薄化粧にしてはどうですか?」


俺は、小さな声で呟いたあと先生の脇を通り過ぎる。



「誰の顔がケバいだっ。これでも今日はいつもより薄化粧だぁー!!」


背後でぎゃぎゃ大きな声で叫ぶ豊島先生の言動に俺は、首を横に振って呆れた顔をして教室に向かう為に、学校の校舎内に入る。



昇降口の下駄箱のところで、靴から上履きに履き替えて廊下を歩く。



階段の前に来ると、俺の目の前に大和が現れる。


突然自分の目の前に現れた大和に驚きはしたが、すぐに目線を下に落とす。



「……おはよう」


小声で一言軽い朝の挨拶をして俺は、大和の横を通り過ぎる。