ぼっちの俺に、青春ラブコメは難題すぎた。

だが、大和は俺からの説明にどこか納得できないようで首を傾げて俺の目を見つめて黙っている。



……無言で見られても、何も出ないんだが。




……無表情のまま俺を見つめる大和もやはり美人だ。


……まるで雪女みたいで。



誤って触れたら、氷漬けにされてしまいそうで、触れるのが恐ろしい。



俺は、目を逸らしてまた外を見ながら頬杖を着いて大和に言う。





「……もしもだが、今日廊下で俺のことを襲った犯人が、大和にストーカー紛いの行為をしてる犯人とは同一人物だとしたらどうするつもりなんだ?」



「……話を聞くわ」



「……話を聞いて、自分へのストーカー紛いの行為や俺への暴行の理由を知ったあとはどうするんだ?最後は犯人を殴るのか?」



「……それは……」



俺からの言葉に大和は、返す言葉に困っているようだった。



……。



「……他人が傷ついた位で、自分から危険を引き寄せたり傷つく結末を選ぶ必要なんてないんだ。所詮、他人は他人なんだから」



……他人の為に、自分が傷つく必要はない。


……それをしてしまったら、それは只の偽善でしかない。

人の為なんて、結局は善人の皮を被った偽でしかないのだから。





……わかってる。ちゃんと頭では理解してる。


……だけど、それでも人は、人を信じないと生きていけない弱い生き物なのだ。





大和は俺からの言葉に返す言葉が見つからないようだった。



自宅前に着いた俺は、先生の運転する車から降りて、一度先生に一礼して車から離れる。



走り出した車が俺の目から見えなくなるまで見送ったあと、俺は自分の家へと入る為に扉を開く。



「……ただいま」


小さな声で呟いたあと、玄関で靴を脱いで綺麗に揃える。