ぼっちの俺に、青春ラブコメは難題すぎた。

「今、姫乃は何してたんだ?」



「ん?今、夕御飯の準備してたところだけど、聖夜は何してるの?いつもならもう帰ってきてる時間なのに居残り?」



「まあ、そんなところだな。けど、もう少ししたら家に帰るから待っててくれ」


……大和からの相談も今日に解決しないから、明日以降でいいだろう。
それに、これから容疑者を捜すのも面倒くさいからな。


付け加えるなら、まだ大和は俺の事を信頼などしていないようだからな。


まあ、今日初めて話したばかりの上クラスでも暗いと言われている俺を信頼しろという方が無理があると言えるだろう。



……それに、他人からの信頼など俺には必要ない物だ。


姫乃との電話を終えて俺はスマホを制服のポケットにしまう。


猫背になって廊下の壁に凭れて部室の扉が開くのを密かに待っていると、俺は何者かの怪しげな視線を感じる。




……ん?


……誰かが俺を見てる。


いや、俺を見てるというよりはなんというか、こちらの様子を確認しているような視線だ。


こちらを見てる人物は、恐らく大和に対してストーカー紛いの行為をしている犯人だろう。


どうしてと言われたら、こんな人気の無い場所で大和がいる部室の様子を離れた廊下の陰で見ている人物なんて、犯人、もしくはストーカーの関係者以外は有り得ないからだ。


ここは犯人と正々堂々と正面からぶつかるか、それとも、気づかないふりして見過ごすかと聞かれれば俺は後者だ。


何故、何をしてくるかわからないような奴に自ら迫っていくような危険な行動をしなくてはいけないんだ。


俺は、自分が大切だ。
他人の為に自分が傷付く可能性があることに態々首を突っ込むような馬鹿ではない。


……俺は、傍観者でいい。