ぼっちの俺に、青春ラブコメは難題すぎた。

それだけの回数机の中に手紙やプレゼントを入れるなんて他の生徒や先生達に見られないで行うなんてどう考えても有り得ない事だ。



なら、誰が怪しいのか。


学校関係者の中から犯人を探すにしても少し時間がかかりそうだ。
今の時点では、犯人を突き止めるには余りにも情報が少なすぎる。
もう少し範囲を狭められるような情報が有ればいいのだが。



椅子に座って前に腕組みをして眉間にシワを寄せて犯人について考え込む。


詳しい情報を集める為に豊島先生が教室の扉の前に立っている大和を呼びつけて椅子に座らせて聞く。



「いつまでも扉の前に立ってないでとりあえず椅子に座りなさい。他に何か被害に遭ったりしてないのか?急に上履きが無くなったとか」



「今のところ上履きが無くなったことはないのですが、……ただ」



「ただ?」


口ごもり話しづらそうに目線を下に落として俯く大和に先生は聞く。


先生からの問いかけに大和桃華は俯いたまま俺の顔をちらっと見る。



……男の俺がいると話しづらい事ということか。


……仕方ない、余り深く干渉しすぎるのも良くないからな。
ここは俺が一度席を外す事にしよう。


座っていた椅子から立ち上がり制服のポケットに手を入れて猫背になりながら俺は教室の扉の方へと歩いていく。


ふたりの横を通り過ぎる時に俺は小さな声で呟く。




「……俺は教室の外にいますから」


教室の扉を開けようとした時に先生が大和に問いかける。



「大和。お前はこのまま倉根を教室の外に出していいのか?お前が同じ部活の仲間を信用していないことになるが」



「……それは……」



大和は相変わらず俯いたまま口ごもる。



……男子には言えない女子の事情というものがあるのだろう。

同じ部活の仲間……なんて簡単なごっこ遊びのような言葉で片付けることのできない何かが。