その昔。

春は出会いの季節だ。と言っていた人がいたらしい。

新たな門出で出会う人と人の繋がる季節だと。





……いや、それは違う。


春とは新たなぼっちを生み出す。

最低最悪な季節なのである。


新しい出会い?


新たに出会ったからと言って、そいつらと仲良くなる可能性がどこにあると言うんだ。


人が変われば周りも変わる?

いや、人間っていうのは元々自分と異なるモノを否定し拒絶する生き物だろう。
周囲の人間がいくら変わろうと人間本来の特性は変わりはしない。

それでも十人十色という言葉もあるわけだからそれぞれ違うところがあるんだろうよ。

顔とか。面とか。ルックスとか。容姿とか……あれ?見た目以外に違いがないような感じになってないか?


まあ、多少は性格に違いがないとは言わないがな。
俺みたいに根っからの卑屈な思考の持ち主だっているわけだから。

自分の性格を直そうとは思ったりしないのか?と聞かれたなら、俺ははっきりと答えてやる。

人の性格なんて早々簡単に変えられるわけないだろうが。と。

それにだ。本当に性格を変えることができたとしたら、前までの人格は消えて無くなってしまうというのか?
そんなことあり得ないだろう。
それとも前の性格と新たな性格が融合して新たな性格に変わるというのか?
それって本当に性格が変わったというのか?
前の性格も今の性格に存在するなら前の性格に戻ることだってあるってことになるんじゃないのか?
それでも性格が変わったと言えるのだろうか。


結局、人は短期間で性格を変えることなんて出来はしないということなのだ。


なんてことを考えている間にも、世界は々と時間を刻んで、時間が着実に過ぎていくのだ。

時が流れる速度は、とても早い。


だからこの世界には、不適合者=ぼっちが増えていくのだ。