僕の恋人

とても、とても幸せな時間だった。


もうすぐこの幸せが消えてしまうなんて思えなかった。


だけど、病は残酷にも美咲の体をむしばんでいく。


それは夜中のことだった。


隣にいる美咲が苦しげに呻いている声で目が覚めた。


ハッとして電気を付けると、美咲が夜に食べた麻婆豆腐を吐いていたのだ。


「美咲!?」


1人でベッドから起きることが困難な美咲は涙目になってボクを見た。


「ごめんなさい……」