桜色の涙


「でも、広瀬くんが悠大くんに向かっていく姿を見て応援したくなった。あたしと同じこと考えているみたいで嬉しかったの!」


その言葉を聞いて俺も少しだけ元気になれた。俺の考えは間違っていなかったんだ。


同じことを考えていた、ってことは、彼女も江崎くんと話がしたいと思っていたってこと。


俺が先走ってしまっただけで、遅からず彼女もそうするつもりだったんだ。



「広瀬くんは」


なぜだか息が詰まりそうになる。静かな廊下。この場にはふたりだけ。



「────星那のこと、好きなんだね?」


尋ねるように、でも確認するようにゆっくりと発された言葉。それは、俺の胸にも静かに落ちてきた。


ねぇ、星那ちゃん。叶わない恋だってことくらい知っているよ。だから両想いなんて高望みはしない。


でも、この気持ちはもう止められないんだ。