きっとこの先も江崎くんと星那ちゃんは幸せで、俺だけが叶わない恋をする。そんな未来が待っているんだと思っていた。


これは運命だったのかな。こんなに悲しい運命なら、ない方が良かったのかもしれない。でも俺は後悔していないから。


────全てが狂い始めたのはきっとあの日だった。



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月日は流れ、テストも近づく6月。


4月は友達をつくるのに必死だった。俺はそこそこ上手くいったけど、渚は人見知りのせいか話せる人は少ない。


5月は勉強漬けの毎日。中学校より難しくなる勉強。部活に入っていないといってもついていくのは大変だった。


そして今、6月の終わり。7月にはテストがあり、終わるとすぐに夏休み。明けるとまた忙しい毎日が待っている。



「ねぇ、お祭り行こうよ!」


俺と渚の前にいきなり飛び込んできたのは、橋本さんの声。


隣の星那ちゃんは苦笑いでこちらを見ている。渚も不思議そうな顔で橋本さんを見下ろしている。