《 悠大side 》




『ねぇ、悠大くーん』


『デート行こうよー』


少し前の俺のそばには、そんなことを言って寄ってくる奴ばかりいた。それに対して嫌悪感も罪悪感もなかった。



でも。


『俺、もう女で遊ばないって決めたから』


そう、俺はもう遊んだりしない。決して道を間違えたりしない。だって本命がいるから。




最初は本当に星那との関係に飽きていた。


高校に入ってから新しい環境になり、お互いに少し溝ができていたんだと思う。


彼女が隣にいることが当たり前になっていて、毎日一緒に登下校することを面倒だと感じていた。



だから、他の女と一緒に出歩いたりして気を紛らわせた。


その時間を楽しいとは感じなかったけど、不思議とこれでいいと思っている自分がいた。