桜色の涙


今頃、星那は友達と一緒に回っているのかな。俺のことなんて忘れて楽しんでいるのかな。


ねぇ、星那。少しでもいいから会いたいよ。




「広瀬くん、何か食べますか?」


そう声をかけてくれたのは小谷さん。



「俺は」


「理々愛はわたあめ食べたい!」


俺が口を開こうとすると矢代さんが割って入ってきた。やっぱり正反対なふたり。だからこそ一緒にいて面白いんだ。



「俺は……たこ焼きかな」


一瞬かき氷の屋台が目に入ったけど、何も見ていないフリをしてたこ焼きの屋台へ目を向けた。


かき氷。去年、星那にはイチゴ味を渡したんだっけ。


結局それどころではなくなって食べてはもらえなかったけど、今年こそ自分で買って食べているのかな。


そんなことを考えながら人混みをかき分けて歩く。