文房具を買い終えた彼女にもう悲しそうな表情はなく、満足げな様子だった。
良かった。やっぱり誰であっても笑顔でいてほしい。笑っているだけで心が晴れることだってある。
大切な人の笑顔を見ているだけで元気が出ることだってある。
だから、たとえ俺の恋が叶わなくても。星那が幸せそうに笑っているならそれが本望なんだ。
もちろんできることなら俺が幸せにしたいけど、それが彼女にとっての幸せとは限らない。
何よりも俺は星那の笑顔が好き。だからずっと笑っていてほしいんだ。
「じゃあ、そろそろ帰ろうか」
夏は日が落ちるのが遅いけどもうすぐ日が暮れそう。
門限までまだ時間はあるけど、家には杏もいるからあまり遅く帰りたくはない。


