桜色の涙


「……篠原さんのこと、本当に好きなんですね」


────星那?


いや、違う。目の前にいるのは小谷さんなのになぜだか星那と重なって見えた。



それは彼女の寂しげな表情のせい?確かにふたりは少し雰囲気が似ているけど同じように見えることはなかった。


あぁ、なんだか無性に星那に会いたくなってきた。



「あ……私、この文房具買ってきますね」


少し俺から目線を外して彼女はそう言った。


気まずい雰囲気にさせてしまったかな?気をつかってくれたのになんだか悪いことをしてしまった。



もしも俺がこのとき気づいていたなら、未来は変わっていた?


どうして一方通行の恋があるんだろう。こんなに好きなのに伝わらないなんて、悔しくてもどかしくて情けない。


でも “ 好き ” って気持ちがくれる勇気を俺は確かに知っている。