桜色の涙


「お前は、俺には勝てない」


江崎くんとすれ違いざまにボソッと囁かれた。


確かに俺は勝てないかもしれない。


俺より彼の方が何倍もかっこいいし運動だってできるし、星那ちゃんにだって好かれているかもしれない。



でも、たとえそうだとしても。


『もう少し自分に自信をもって』


『迅くん、頑張って……!』


星那ちゃんのその言葉があれば俺は負けない。今は俺が彼氏なんだから、自信をもたなきゃ。


絶対に諦めたくない。江崎くんにだけは負けたくない─────。



鮮やかにドリブルをする彼へどんどん向かっていく。そんな俺に気づいたのか彼は不敵に笑って素早くターンをした。


動きが素早い。でも……!