桜色の涙


なぜなら、その視線の先には……江崎くんがいたから。その表情は、苦しそうで不安そう。


彼は星那ちゃんのことなんて忘れたように他の女子と話している。


あぁ、星那ちゃんは今何を思っているかな。


その目にはきっと彼が眩しく映っているんだろう。その隣にいたいと願っているんだろう。


やっぱり俺は─────江崎くんには勝てないのかな。



周りは盛り上がっている。その中で俺だけが暗い顔をしている。


ダメだ、集中しなきゃ。余計なことを考えていたら足を引っ張ってしまう。


そう思いながら首を横に振って嫌な考えを振り払っていると、目の前には信じたくない相手がいた。



「よう、お前には負けねーから」


「江崎、くん……」


そう、対戦相手はなんと江崎くん。