「どうしよう、渚!」


「はいはい、どうせ篠原のことだろ」


泣きつく俺に対して渚は今日も冷たくあしらう。まだ登校時間中だから人は少ないけど、周りの人も不思議そうな目で見ている。


親友がこんなにも悩んでいるっていうのに渚ったら本当に無関心なんだから。



「星那ちゃんが可愛すぎて死にそう……」


新学期が始まってから約1ヶ月。


自分で言うのも変だけど、俺と星那ちゃんの距離はかなり縮まったと思う。



学校にいる間も普通に話すし登下校は一緒にしている。デートも家に遊びに行ったりもする。


でも俺はものすごく悩んでいるんだ。それはもう死んでしまうんじゃないかってくらい。



「またノロケ話かよ」


「本当に星那ちゃんが可愛いんだよ!」


物わかりが悪い渚に向かって大声で叫ぶ。