ナミダ列車










また少ししたら振り返ろう。

移りゆく景色を眺めながら私は日光に思いを馳せていた。




東武日光駅についたら趣のあるお店が賑わいを見せて建ち並んでいるだろう。

日光東照宮までは徒歩でいけない距離ではないし、ロマンチック街道を通ってゆっくり景観を見ながら歩くのもいいな。





壮大にそびえたつ日光連山に、木々に挟まれた一級河川の大谷(だいや)川は自然の偉大さと神秘さを感じさせ、そこにかけられている神橋の朱色を見た時には息を呑むものがある。

聖地日光の表玄関を飾るにふさわしい朱塗に映える美しい神橋は、日光二荒山神社の建造物。




国の重要文化財に指定されていて、平成1999年12月に世界遺産に登録されたほど。




奈良時代の末に、神秘的な伝承によって架けられたこの橋は、神聖な橋として尊ばれているんだ。





特に現在は、もっぱら神事・将軍社参・勅使・幣帛供進使などが参向のときのみ使用されていて、一般の通行は下流に仮橋(日光橋)を架けて通行できるようになってる。

山間の峡谷に用いられた「はね橋」の形式としては日本で唯一の古橋で、日本三大奇橋である山口県錦帯橋、山梨県猿橋に並ぶの一つだと…言われているんだそう。






……観光マップを開いて一人頷いてみる。やっぱりいいな日光は。

なんの変哲も無い日々の繰り返しから、はやくもこの段階から一歩飛び出しているような感覚になる。ワクワク、する。