ナミダ列車








それからお昼の時間になったら近くにあった小料理屋で蕎麦を食べた。

その足でバスに乗り、奥日光に向かうと私の名前の由来であるいろは坂に差し掛かる。

ここは運が良ければ野生の猿を見ることができるスポットなんだけれども、今回はお目にかかることはできなかった。





竜頭ノ滝では茶屋でお団子を食べながら日本の風情を味わった。

今後の絵の材料にって、持ってきていたカメラで写真を撮る。試しにヨータに貸してみるとブレッブレ。

「俺にはセンスがないみたい」なんて苦笑いしてすぐに返却してきたのは面白かった。





それでもヨータは、あらゆる場所を歩き回る私について来てくれる。




「現役の時よりもウンと体力が落ちたな」

梅雨のシーズンだけれども、今日は珍しく晴れた暑い日だった。張り切りすぎてノンストップで回りすぎてしまったことに気づく。

汗を拭うヨータは、次に訪れた戦場ヶ原で乾いた笑いを零していた。