ナミダ列車








「アーモンドチョコは舐めて食べるものだって言ってるじゃん」

「ん?」


……しかも惚けてるし。

口に入れた瞬間に噛み砕きはじめるヨータを見たらつい我慢ならなかった。

まったく、アーモンドチョコの食べ方というものがなってない。





「チョコを溶かしてからアーモンドの香ばしさを味わうの!」

「そういえばいろはって変なこだわりあったよな…」

「変ってなに…」

「いーや、なんでも」


ヨータは適当にあしらうだけで私の意見なんて右に流してしまう。

それどころか、口にアーモンドチョコを含ませたまま、一面の田んぼ風景をただぼんやりと眺めている。

その姿はまるで泡沫のように見えた。

なにを見てるのか、なにを思ってるのか、小さい頃からずっと一緒にいるはずのヨータの心が、この時ばかりは掴めなかった。