エリさんは昔を思い出しながら学生時代の話をしてくれている。
出どころが何処なのかは詳しく覚えてないけれど、たしか、野球肩になるのは小・中学生に特に多いという。
と、いうのにも、骨格・筋肉が完成しない状態でのオーバーユースが原因とされている。
何度も繰り返し投げることで筋肉・靭帯が悲鳴を上げ痛めてしまう結果になるのだけれど、同じ練習量なのに肩を痛める人と傷めない人がいるのも事実。
伸長・体重・筋力は差はなく、ピッチングフォームに問題があるんだと…教えてもらったこともあった。
「ドクターストップがかかって、私は大会のレギュラーメンバーから外された。練習もしばらく休んだ方がいいって言われて、私はマウンドから降りたんだ」
「…」
「悔しかった。夢に見た試合会場のマウンドに立ちたくて仕方がなくて頑張ってきたのに、一瞬で叶わなくなってしまった。そこには私じゃない代わりの子が立ってる。絶望も、もちろんしたよ」
