ハルナさんと同じ年代だと思われるお二人は、どうやらエリさんとサトルさんというらしい。
エリさんは短いボブカットを揺らし、チャームポイントのえくぼを作って小首を曲げる。
「わ、私で良ければ…」
「わあ!本当ですか!ありがとうございますっ!」
「……本当、手間をとらせてしまってすいません…」
エリさんからは華やかなオードゥトワレの香りがした。
無邪気さがあるけれども、それでも容姿は大人っぽい人だと思った。羨ましい。私もこんな風になりたいなあ。
「いえ、日光の話をするのは好きなので!」
「やった!本当ですか!でもでも、イマドキの人は上京思考だというのに、日光が好きって珍しいですよね」
「ハハ、イマドキって…」
「年寄りみたいなこと言うなよな…」
溜息を吐いて呆れるサトルさんに、エリさんは頬を膨らませているが…、確かに、なんて思ってしまったことは黙っておこう。
「だってそうじゃん?東京行ってショッピングしたり〜、ほら、栃木って割と東京に近いところが唯一のいい点だったりするし」
「……だからと言って毎週は行き過ぎ」
「毎週行かれるんですか?!」
「ああ……そうなんです。都会が好きなもんで…」
