妹の恋人[完]

「浅野さん、土屋をお持ち帰りしないでくださいね」

こっそり俺の耳元でささやいたマスターは、土屋さんに見えないように笑うと、ホールにいる別の客の方へと行ってしまった。

何だ?

俺が遊んでいるように見えた?

さっきまでの土屋さんとの会話から、自分がそんなに遊び人に見えるのだろうかと不思議に思ってしまう。

ちらっと土屋さんを見ると、果物を口に入れながらマスターを目で追っていた。

ふと目があった二人がなにやらいい雰囲気で。

そうか、俺は土屋さんにうまく使われたんだなとやっと理解できた。