「えっ!?」
なんでわかったんだろう?
驚きながら少年はためらいがちに口を開いた。
「あの…今僕と母、二人暮らしで…経済的に困ってるんです。バイトしたいんですけど…中学生じゃなかなか雇ってもらえなくて。どこかいいバイト先、知りませんか!?」
ソファに腰掛けたまま、少年はペコリと頭を下げた。
そのつむじをじっと見つめた後、男が答えた。
「あるよ、バイト先」
「ほ、ホントに!?」
パッと顔を上げた少年の目がキラキラ輝く。
「ドコですか?すぐ行きます!すぐバイトします!」
今にも駆け出しそうに腰を上げて少年は男に詰め寄る。
そんな少年に爽やか笑顔で答えた。
「此処」
「………はい?」
「……ぅええっ!?」
少年と同時に青年も目を丸くして声をあげていた。



