――10分後。少年の話を聞き終わった男と青年はしばしの間、顔を見合わせた。
やがて黒髪を掻きあげながら男が口を開いた。
「わかった。その依頼は受けるよ」
にこやかにそう告げた男を見て、少年は歓喜の声をあげた。
「本当ですか?ありがとうございますっ!信じられない!」
きゃあきゃあとハシャぐ少年を見ながら、男は微笑んだ。
「可愛いなぁ…」
そんな彼を鬼の形相で睨む青年。
「……オマエ、そんなに若いヤツのが良いのかよ!?俺に飽きたのか?!」
うん、どうやらこの二人マジでカップルらしい。
「馬鹿だなぁ、俺が飽きるわけないだろ。お前に惚れ込んでんだから」
そう言いながら青年の腕を引き、顔を近付ける。
そのままその唇に軽いキス。
「ホントに?俺が好き?」
「好き。大好き」
ウザい二人である。
「ホント?!良かったぁ~!」
青年が満面の笑みでガバッと抱き付いた。その蜂蜜色の髪を撫でながら、男はまるで何もなかったかのように少年を振り返った。
「で?まだ話、あるんだろ?」



